「第148回 アトピー性皮膚炎」 2024年4月19日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2024年9月11日
- 一般皮膚科
薬を塗ったり、飲んだり、いろんな治療を続けてもかゆみが治まらないし肌はガサガサ。
―症状と原因は?
「皮膚の乾燥、バリア機能の低下、皮膚への刺激などによってかゆみや湿疹などを生じるのがアトピー性皮膚炎。アレルギーを起こしやすい体質が原因のひとつと考えられています。小児期から思春期、おとなになっても治ったり悪化したりを繰り返す人もいます」
―治療法は?
「皮膚のバリア機能を補う保湿、ステロイド抗炎症性外用薬、抗アレルギー剤を使用してかゆみや炎症を抑えるのが基本的な治療法。症状に合わせていくつかの薬剤を組み合わせていきます」
―新しい薬が登場しているのですか?
「はい。注射タイプ、飲み薬、外用薬などで新薬が承認され、治療の選択肢が広がっています。具体的には、自己注射薬のデュピルマブ、ネモリズマブ、飲み薬のバリシチニブ、ウパダシチニブ、アブロシチニブ、塗り薬のジフォミラストなどがあります。
さらに今年の4月からは、新たにトラロキヌマブの自己注射が承認・保険適用となっています。これらはアトピー性皮膚炎の原因のひとつ、サイトカインの働きを阻害してかゆみを抑えます。
なお、新薬治療には高額療養費制度も使えますが、その上限額は個人の条件により変わってきます。詳しくは、皮膚科の専門医に相談してください」