アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因はまだ明らかではありませんが、皮膚のバリア機能が低下する体質や、アレルギーを起こしやすいアトピー素因が原因のひとつとして考えられ、乾燥、痒み、湿疹を起こしやすい体質の事を言います。
アトピー性皮膚炎の皮膚では、外からの異物の侵入を防ぐバリア機能が低下し、皮膚への刺激やアレルギーによる皮膚炎を起こしやすくなっています。
皮膚炎によるかゆみのため、皮膚を掻いてしまうと皮膚が傷つき、さらに炎症が悪くなります。このとき、皮膚の内部では正常な皮膚に比べ、Th2細胞という免疫細胞が増えた状態になっています。そして、Th2細胞が産生する「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン※1)は炎症を起こしたり、かゆみを誘発したり、皮膚のバリア機能に大切なフィラグリン※2という物質の発現を低下させたりします。
アトピー性皮膚炎の皮膚は、一見正常に見える皮膚でも乾燥しています。アトピー性皮膚炎は「痒み」を伴う疾患ですが、乾燥をしているとさらに痒みを強く感じます。そのため、乾燥・バリア機能の低下をカバーし、炎症の再燃を予防する目的で、保湿剤・保護剤を用いて継続的にスキンケアを行うことが大切です。
保湿剤にも種類があり、よく聞くお薬にヒルロイドがありますが、単なるアトピー性皮膚炎であればいいのですが、蕁麻疹体質の合併症がある場合は血行が良くなりすぎるために痒みが悪化する場合などもあります。患者様の症状に合う薬や治療法を見極める事が重要になります。
ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎治療の主に使用される塗り薬です。薬によって強さが異なりますので、皮膚炎の重症度や塗布する部位に応じて適切なステロイド外用薬を選択します。
ステロイドはホルモンの一種で、人のからだの中の副腎という臓器で作られています。このステロイドホルモンを投与すると細胞の中に入り、核内の遺伝子に直接作用します。その効果は高く持続時間も長いので、様々な病気の治療に用いられており、多大な効果を発揮します。
患者様から「ステロイドは怖い」や、「体によくないのでは?」といった声を聞くことがあります。ステロイド外用剤を長期にわたって連用した場合や、皮膚が薄くデリケートな部位に強いステロイドを使用し続けることによって、塗ったところに局所性の副作用が出ることがあるためかと思います。これを局所的副作用と言い、下記のようなものがあります。
これらの副作用のほとんどは一過性であり、正しい治療をすれば治るものです。ステロイド剤は正しく使えば安全で良い薬です。外用剤を塗る部位とその種類、塗り方、塗る量、塗る期間などを守り使用することが大切です。 当院では患者様の状態に応じて適切な外用剤を選択しております。
モイゼルト®軟膏(ジファミラスト)はホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤と呼ばれる塗り薬です。
PDE4を阻害することにより、細胞内cAMP濃度を上昇させ、TNF-α、IL-17、IL-23等の炎症性サイトカインを制御し、IL-10等の抗炎症性サイトカインを増加させ、アトピー性皮膚炎の炎症反応を制御する効果があります。
図は、乾癬治療薬オテズラでPDE4を阻害することで、過剰な免疫反応を抑えることを説明している図になりますが、モイゼルト®軟膏も同じメカニズムが働きます。
モイゼルト®軟膏は使用した際にプロトピック®軟膏のような使い始めに伴う、ヒリヒリ感もありません。刺激感も起こりにくく、副作用が少ない薬です。長期間使用する際にも安全性が確認されていることからアトピー性皮膚炎の治療の新たな選択肢として期待されています。
対象年齢:3ヶ月以上
プロトピック®軟膏(タクロリムス)は、アレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑える塗り薬です。
プロトピック®軟膏の特徴として、ステロイドよりも大きな構造(分子量が大きい*)をしているため、バリア機能が整っている健康な皮膚表面からは、ほとんど体内に吸収されません。そのため、全身性の副作用をおこすことは、あまりありません。ステロイド外用薬による副作用が出やすい皮膚の薄い顔や首などにも使用しやすい薬です。使用を開始して3~4日程は塗った部位のヒリつきやほてり※や、弱いかゆみを感じますが、継続すると、次第に症状はなくなります。
*分子量比較 プロトピック®(タクロリムス)…約800、ステロイド外用剤…約300~500前後、コレクチム®(デルゴシチニブ)…約310
※プロトピック®軟膏を塗るとどうしてヒリつきやほてりを感じるの?
そのような刺激を感じるのはプロトピック®軟膏の有効成分であるタクロリムスが吸収されているためです。タクロリムスは皮膚から吸収されると刺激やかゆみの元となる物質を作り出す皮膚の知覚神経に働きかけるため、その物質が大量に放出されます。このため、使い始めに刺激となって感じられると考えられています。しかし、プロトピック®軟膏を塗り続けることで刺激やかゆみの元となる物質がすべて放出されることと、刺激やかゆみを感じる神経が慣れて反応しなくなることで、プロトピック®軟膏による刺激は徐々に感じられなくなり、それと同時にアトピー性皮膚炎によるかゆみもおさまってきます。
対象年齢:プロトピック®軟膏0.03%(小児用)2歳以上15歳以下、プロトピック®軟膏0.1%は16歳以上
コレクチム®軟膏(デルゴシチニブ)は外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と呼ばれる塗り薬です。
アトピー性皮膚炎には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。サイトカインIL-4、IL-13、IL-31等が、免疫細胞や神経にくっつくと、JAK経路が活性化し、炎症やかゆみを引き起こします。コレクチム®軟膏は、JAK経路をブロックすることで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。コレクチム®軟膏は使用した際に刺激感も起こりにくく、副作用が少ない薬です。長期間使用する際にも安全性が確認されていることからアトピー性皮膚炎の治療の新たな選択肢として期待されています。
対象年齢:6ヵ月以上
アトピー性皮膚炎のかゆみに対して、最もよく使われる飲み薬です。ヒスタミンを抑えることによって、かゆみなどのアレルギー症状を抑制するため、抗アレルギー剤とも呼ばれています。抗ヒスタミン剤は、よく使われる飲み薬でありますが、アトピー性皮膚炎においては、痒みのコントロールをする上で大切なお薬です。
アトピー性皮膚炎が急激に悪化した場合や、 非常に症状が重い場合に限って、早急に症状を改善させるため、短期間のみ使用する飲み薬です。 短期内服では症状改善にとても良い薬ですが、長期内服では感染症など副作用を生じる場合があります。内服量や期間など適切に判断し、処方します。
ネオーラル®(シクロスポリン)は、自己免疫抑制剤に分類される飲み薬です。
サイトカインの発生を低下させ、免疫抑制に働く特徴があり、内服後に比較的早くかゆみがおさまります。塗り薬や抗ヒスタミン剤を使用しても改善しなかったかゆみがおさまることによって、患者様がよく眠れるようになる等、生活の質が向上することにつながります。
他の治療では十分な効果が得られない症状が重い方が対象になり、顔面の難治性紅斑や紅皮症などにも有効です。長期的に使用することはすすめられていないため、皮疹やかゆみの症状が改善したら、これまでの治療に戻すことが大切です。
対象年齢:16歳以上
JAK(ジャック)阻害薬は細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌスキナーゼ(JAK)に対する阻害作用があり、免疫反応の過剰な活性化を抑制することでアトピー性皮膚炎を改善する飲み薬です。
アトピー性皮膚炎における炎症をコントロールし、飲み始めて比較的早い段階からかゆみや湿疹といった症状の改善に導きます。
アトピー性皮膚炎には、 JAK1とJAK2を強く抑える作用を持つオルミエント®、JAK1を選択的に阻害するリンヴォック®、JAK1を選択に阻害するサイバインコ®の3種類があります。
いずれも、中レベル以上のアトピー性皮膚炎で、ステロイド外用薬やタクロリムス(プロトピック軟膏)などによる治療を6カ月以上継続したが、十分な効果がなかった方が対象となります。
オルミエント®(バリシチニブ)はJAK1・JAK2を阻害するアトピー性皮膚炎の飲み薬です。アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカインの働きを抑えることで、かゆみや皮膚の炎症を抑えます。
対象年齢:15歳以上
リンヴォック®(ウパダシチニブ)はJAK1を選択的に阻害する飲み薬です。アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカインの働きを抑えることで、かゆみや皮膚の炎症を抑えます。またリンヴォック®はJAK1選択性が高いという特徴があり、高い効果と安全性が期待できると言われています。
対象年齢:12歳以上
サイバインコ®(アブロシチニブ)はリンヴォック®と同じくJAK1を阻害する飲み薬です。
アトピー性皮膚炎の炎症をコントロールし、比較的早い段階からかゆみや湿疹といった症状の改善が期待できます。発売されているほかのJAK阻害薬と違い、通常用量から減量したり増量したりできる点が特徴的です。
対象年齢:12歳以上
名称下段()は 一般名 |
オルミエント® (バリシチニブ) |
リンヴォック® (ウパダシチニブ) |
サイバインコ® (アブロシチニブ) |
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適応疾患 | アトピー性皮膚炎 円形脱毛症 関節リウマチCOVID19 |
アトピー性皮膚炎 乾癬性関節炎 潰瘍性大腸炎 強直性脊椎炎 関節リウマチ |
アトピー性皮膚炎 |
阻害分子 | JAK1 JAK2 | JAK1 | JAK1 |
代謝経路 | 腎排泄 | 肝代謝 | 肝代謝 |
腎障害時 | 状態に応じて量調整 又は 禁忌 |
副作用が強く現れる恐れがある | 副作用が強く現れる恐れがある |
肝障害時 | 副作用が強く現れる恐れが ある |
重度肝障害時は禁忌 | 重度肝障害時は禁忌 |
適応年齢 | 15歳以上 | 12歳以上 | 12歳以上 |
副作用 | 血栓症 帯状疱疹の可能性 | 血栓症 帯状疱疹 ニキビの可能性 |
帯状疱疹 単純ヘルペスの可能性 |
薬価 28日分の 窓口負担 (3割) |
2㎎ 2,706円 4㎎ 5,275円 2㎎ 22,730円 4㎎ 44,309円 |
15㎎ 5,090円 30㎎ 7,352円 15㎎ 42,749円 30㎎ 61,755円 |
100㎎ 5,044円 200㎎ 7,567円 100㎎ 42,370円 200㎎ 63,555円 |
高額な医療費を支払った時は、高額療養費で払い戻しが受けられます。高額療養費とは、1ヵ月の間(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額*)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
*自己負担限度額:年齢および所得状況等により設定されている額
• 世帯合算
自己負担額は世帯で合算できます。世帯で複数の方が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。
• 多数回該当制度の仕組み
継続して高額な医療を受ける必要のある方には、自己負担上限額がさらに引き下げられる制度があります。直近12ヵ月以内に3回以上高額療養費制度の適用を受けた場合を多数回該当と言い、4回目以降の月の自己負担の上限額がさらに引き下げられます。
• 付加給付制度(健康保険組合等の独自制度)
高額療養費制度は国が定める制度ですが、ご加入の医療保険(保険者)によっては、独自の「付加給付」として、国が定めるよりも手厚い医療費助成を行っており、自己負担上限額がさらに低く設定されている場合があります。すべての保険者で実施されているわけではありませんので、詳しくはご加入の保険者(健康保険組合等)にご確認ください。お問い合わせ先:健康保険証に記載されている保険者(健康保険組合等)
• 申請方法
高額療養費の払い戻しを受けるには、下記の申請方法があります。
生計を一にする家族が1年間で支払った医療費の総額が10万円を超えると、医療費控除を受けることによって、所得状況に応じた還付金を受け取ることができます。医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。医療機関から発行された領収書は必ず保管しておいてください。
デュピクセント®(デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因になっている「IL-4」と「IL-13」というタンパク質の働きを直接抑えることで、皮膚の炎症反応を抑制するお薬です。炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。
どの方でも、デュピクセント®が投与できる訳ではありません。
医師による診察と検査が必要になります。
現在の症状、今までの治療方法、ご本人の希望(治療期間・費用)などを伺い、治療方針についてお話をさせていただきます。
その後、デュピクセント®をより知っていただくために10分程ビデオをご覧いただき、最後に看護師から補足説明をさせていただきます。説明を受け、デュピクセント®をやっていくのか検討いただいても問題ありません。
後日、診察にご来院いただき、デュピクセント®希望であれば、お薬の処方をします。
薬局で薬をもらった後、再度クリニックに戻っていただき、注射の説明と実施をします。
※当院では通院注射を行っておりません。初回投与の指導後はご自宅にてご自身で注射を継続していただきます。
すでに他院で導入済みの方(自己注射済)には、ご状況などをお伺いし、医師の診断にて問題がないようであれば、初診時でもデュピクセント®の処方が可能です。紹介状などをお持ちいただくとスムーズです。
※自己判断で治療間隔を調整したり、中断再開すると薬が効かなくなってしまう可能性があります。
スケジュール通り投与していただき、治療終了時期に関しては必ず医師にご相談ください。
2018年に発売開始、2022年8月~価格改定しました。現在は下記の通りです。
必ず下記の金額になるわけではございません。おおよその目安としてご参照ください。
令和4年8月現在のデュピクセント®の薬価をもとに計算しています。
3割 | 6歳以上69歳以下、70歳以上で現役並み所得者 |
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2割 | 70以上74歳以下で一般・低所得者 |
1割 | 75歳以上で一般・低所得者(令和4年10月1日から、一部の方は2割負担になります) |
デュピクセント®説明サイトよりご確認ください。
お電話はこちら | |
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操作方法へのご質問 | 24時間365日 |
医療費制度へのご質問 | 平日9:00~17:00 |
個人差はありますが、症状・痒みにも即効性があると実感しています。また、デュピクセント®により完全寛解が得られた患者様もいます。「良くなったり悪くなったり」を繰り返さない治療が重要です。
(サノフィ株式会社提供写真)
全ての患者様に同様な効果がでるとは限りません
デュピクセント®のリーフレット資料になります。下記よりご確認ください。
ミチーガ®(ネモリズマブ)は、アトピー性皮膚炎の皮疹やかゆみの原因になっているIL-31をターゲットとした日本初、世界初のヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体である生物学的製剤で、皮下組織に薬液を注入して使用します。
IL-31はかゆみに関係する神経を刺激してかゆみを起こしやすくする働きがあり、またIL-31RAは末梢神経のほか、好酸球、好塩基球、肥満細胞などの免疫細胞や角化細胞にも関与していることから、IL-31はかゆみだけでなく、炎症や皮膚のバリア機能低下にも関係していると考えられています。ミチーガ®を注入することで、他の治療では十分な効果が得られないアトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果が期待できます。
ミチーガ®に含まれている成分に対して過敏症を起こしたことがある患者様は使用できません。
以下に該当する患者様は主治医にご相談ください。
どの方でも、ミチ―ガ®が投与できる訳ではありません。
医師による診察と検査が必要になります。
現在の症状、今までの治療方法、ご本人の希望(治療期間・費用)などを伺い、治療方針についてお話をさせていただきます。
その後、ミチ―ガ®について看護師から詳しくご説明させていただきます。説明を受け、ミチ―ガ®をやっていくのか検討いただいても問題ありません。
後日、診察にご来院いただき、ミチ―ガ®希望であれば、お薬の処方をします。
薬局で薬をもらった後、再度クリニックに戻っていただき、注射の説明と実施をします。
※当院では通院注射を行っておりません。初回投与の指導後はご自宅にてご自身で注射を継続していただきます。
すでに他院で導入済みの方(自己注射済)には、ご状況などをお伺いし、医師の診断にて問題がないようであれば、初診時でもミチ―ガ®の処方が可能です。紹介状などをお持ちいただくとスムーズです。
※自己判断で治療間隔を調整したり、中断再開すると薬が効かなくなってしまう可能性があります。
スケジュール通り投与していただき、治療終了時期に関しては必ず医師にご相談ください。
ミチーガ®は、成人の方および13歳以上の小児が対象となります。
3割 | 6歳以上69歳以下、70歳以上で現役並み所得者 |
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2割 | 70歳以上74歳以下で一般・低所得者 |
1割 | 75歳以上で一般・低所得者(令和4年10月1日から、一部の方は2割負担になります) |
ミチ―ガ®説明サイトよりご確認ください。
お電話はこちら |
0120-45-8712 すこやかなひふ(フリーダイヤル) 06-6371-4770 (フリーダイヤルをご利用いただけない場合) |
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医療費制度へのご質問 | お電話受付時間 9:30~17:30(土・日・祝日ならびに当社休業日を除く) |
ミチ―ガ®のリーフレット資料になります。下記よりご確認ください。
アドトラーザ®は、アトピー性皮膚炎の病態に関与するIL-13を選択的に阻害することで効果を発揮するお薬です。アドトラーザ®の有効成分はトラロキヌマブであり、これはIL-13を選択的に阻害するヒト免疫グロブリンIgG4モノクローナル抗体です。トラロキヌマブはIL-13がその受容体に結合するのをブロックします。IL-13はアトピー性皮膚炎の病変の発症と進行に重要な役割を果たすため、IL-13をブロックすることは合理的な治療です。
アドトラーザ®は、2型サイトカインであるインターロイキン(IL)-13と結合し、IL-13とIL-13受容体のα1及びα2サブユニットとの相互作用を阻害します。
アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たす、免疫調節性サイトカインであるIL-13は、IL-13Rα1/IL-4Rα受容体複合体を介してシグナルを伝え、炎症反応を刺激し、そう痒発生に寄与し、正常皮膚のバリア機能に必要な蛋白の産生を阻害します。アドトラーザ®はこのIL-13を介したシグナル伝達を阻害することにより、アトピー性皮膚炎に対して効果を示します。
アドトラーザ®に含まれている成分に対して過敏症を起こしたことがある患者様は使用できません。
以下に該当する患者様は主治医にご相談ください。
※この薬は寄生虫感染に対する防御機能に関わっている可能性がある IL-13 の働きを抑えます。寄生虫に感染している人は、この薬を使用する前に寄生虫の感染に対する治療が行われます。
16週時のEASI-75達成率はアドトラーザ®+TCS群で56.0%、プラセボ+TCS群(塗り薬)で35.7%であり、プラセボ+TCS群に対するアドトラーザ®+TCS群の優越性が検証されました。
EASI-75達成率:主要評価項目(16週時)[ 検証的解析結果 ]、その他の評価項目(14週時まで)
EASI-75達成率:EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合
どの方でも、アドトラーザ®が投与できる訳ではありません。
医師による診察と検査が必要になります。
現在の症状、今までの治療方法、ご本人の希望(治療期間・費用)などを伺い、治療方針についてお話をさせていただきます。
その後、アドトラーザ®について看護師から詳しくご説明させていただきます。説明を受け、アドトラーザ®をやっていくのか検討いただいても問題ありません。
後日、診察にご来院いただき、アドトラーザ®希望であれば、お薬の処方をします。
薬局で薬をもらった後、再度クリニックに戻っていただき、注射の説明と実施をします。
※当院では通院注射を行っておりません。初回投与の指導後はご自宅にてご自身で注射を継続していただきます。
すでに他院で導入済みの方(自己注射済)には、ご状況などをお伺いし、医師の診断にて問題がないようであれば、初診時でもアドトラーザ®の処方が可能です。紹介状などをお持ちいただくとスムーズです。
通常、成人の使用する量および回数は、初回600mg、シリンジ4本を皮下投与し、2回目以降は300mg、シリンジ2本ずつを2週間間隔で投与します。
※自己判断で治療間隔を調整したり、中断再開すると薬が効かなくなってしまう可能性があります。 スケジュール通り投与していただき、治療終了時期に関しては必ず医師にご相談ください。
アドトラーザ®の薬剤費は150mg(シリンジ1本)で29,295円です。
初回は600mg、シリンジ4本を投与し、2回目以降は300mg、シリンジ2本を2週間間隔で投与します。
そのため、アドトラーザ導入初月の薬剤費は175,770円(117,180円+58,590円)となり、3割負担の場合の窓口での支払額は52,731円、2割負担の場合は35,154円、1割負担の場合は17,577円となります。
アドトラーザ®は、成人の方および15歳以上の小児が対象となります。
3割 | 6歳以上69歳以下、70歳以上で現役並み所得者 |
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2割 | 70以上74歳以下で一般・低所得者 |
1割 | 75歳以上で一般・低所得者(令和4年10月1日から、一部の方は2割負担になります) |
お電話はこちら |
03-5809-2468(代表) レオ ファーマ株式会社 |
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医療費制度へのご質問 | お電話受付時間 9:00~17:30(土、日、祝祭日ならびに年末年始休業日を除く) |
アドトラーザ®のリーフレット資料になります。下記よりご確認ください。
イブグリース® (レブリキズマブ)は、アトピー性皮膚炎の病態形成に中心的な役割を果たすIL-13に結合し、IL-13受容体複合体を介してシグナル伝達を阻害する生物学的製剤です。IL-13の働きを抑えて悪循環を断ち切ることで、アトピー性皮膚炎の改善が期待できます。
アトピー性皮膚炎は遺伝や環境・免疫学的因子を要因とする複雑な疾患です。アトピー性皮膚炎の発症にはIL-4、IL-5、IL-13が関連しています。その中のIL-13は、その成分の一つで、かゆみを引き起こしたり、 皮膚のバリアを弱めたりする作用があります。IL-13によって引き起こされたかゆみでかいてしまうと、 皮膚のバリアはいっそう弱まり、外からの刺激に敏感になります。すると、IL-13がさらに作られるという悪循環ができ、アトピー性皮膚炎が悪化・持続すると考えられています。
過去にイブグリース®に含まれる成分で過敏症のあった人
以下に該当する患者様は主治医にご相談ください。
※この薬は寄生虫感染に対する防御機能に関わっている可能性がある IL-13 の働きを抑えます。寄生虫に感染している人は、この薬を使用する前に寄生虫の感染に対する治療が行われます。
どの方でも、イブグリース®が投与できる訳ではありません。
医師による診察と検査が必要になります。
現在の症状、今までの治療方法、ご本人の希望(治療期間・費用)などを伺い、治療方針についてお話をさせていただきます。
その後、イブグリース®について看護師から詳しくご説明させていただきます。説明を受け、イブグリース®をやっていくのか検討いただいても問題ありません。
後日、診察にご来院いただき、イブグリース®希望であれば、お薬の処方をします。
クリニック内にて、実施をします。
すでに他院で導入済みの方(自己注射済)には、ご状況などをお伺いし、医師の診断にて問題がないようであれば、初診時でもイブグリース®の処方が可能です。紹介状などをお持ちいただくとスムーズです。
※自己判断で治療間隔を調整したり、中断再開すると薬が効かなくなってしまう可能性があります。
スケジュール通り投与していただき、治療終了時期に関しては必ず医師にご相談ください。
イブグリース®は、成人の方および12歳以上の小児が対象となります。
3割 | 6歳以上69歳以下、70歳以上で現役並み所得者 |
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2割 | 70以上74歳以下で一般・低所得者 |
1割 | 75歳以上で一般・低所得者(令和4年10月1日から、一部の方は2割負担になります) |
イブグリース®説明サイトよりご確認ください。
お電話はこちら | |
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医療費制度へのご質問 | お電話受付時間 8:45~17:30(土、日、祝祭日ならびに当社休日を除く) |
イブグリース®のリーフレット資料になります。下記よりご確認ください。