手のひらが汗でびっしょり、握手もできない…
手掌多汗症に、新薬が登場!

　手のひらに異常なほど汗をかくので、恥ずかしくて握手もできない…そんな“手汗”の悩みについて、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に聞きました。

―手汗の症状は？
　「緊張したとき、荷物を持ったときなど、一時的に両方の手のひらに多量の汗がでるのが“手掌多汗症（しゅしょうたかんしょう）”。思春期頃に発症する人が多く、汗のために書類に染みができたりすることもあるなど、本人の悩みや不安は大きいと思います」

―原因は？
　「精神的な緊張やストレスによる、といわれていますが、どのようにして起こるのか、はっきりとは分かっていません。発汗を司る交感神経がほかの人よりも敏感で、反応しやすいのではないかと考えられています」

―どのような治療方法がありますか？
　「塩化アルミニウム外用薬を手のひらに塗る治療が一般的です。さらに新しい外用薬“オキシブチニン塩酸塩”が保険適用になり、手掌多汗症治療の新たな選択肢ができました。ほかにも、保険適用ではありませんが、手のひらにボツリヌス菌毒素を注射して発汗を抑える方法もあります。一人で悩まないで、皮膚科に相談して下さい」

20230728立川皮膚科クリニック様_第139回