「第150回 結節性痒疹」 2024年6月28日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2024年9月11日
- 一般皮膚科
“結節性痒疹(けっせつせいようしん)”の痒みを抑える
新しい治療薬が登場しています
「腕や首にできた発疹が痒くて夜も眠れない、結節性痒疹(けっせつせいようしん)を治す方法はありますか?」 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に、聞きました。
―結節性痒疹とは?
「重症のアトピー性皮膚炎のように、強くはげしい痒みを伴う慢性皮膚疾患のこと。長い期間痒みが続き、皮膚が豆粒のように硬く腫れるのが特徴です。とにかく痒いので掻きむしって傷痕が目立ち、昼も夜も集中できず、生活に支障が出ることもあります」
―治療できますか?
「痒みを抑えるステロイド系の外用薬や抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬などの服用が基本ですが、それでも痒みが治まらない重症の場合には、皮下注射で行う新しい治療薬が使えるようになりました。ひとつは、炎症の原因であるタンパク質(サイトカイン)に働きかけて痒みを抑え、皮膚のバリアフリー機能を保つ、デュピルマブという薬剤です。
さらに今年の3月、成人および13歳以上の小児の結節性痒疹治療薬として追加承認されたのが、ネモリズマブという皮下注射用の薬剤です。痒みの連鎖、悪循環を遮断して皮膚症状を改善、QOLの向上が期待されています。使用にあたっては、医師による検査と正しい診断が必要です。
まずは皮膚科専門医に相談して下さい」