「第94回 掌蹠膿疱症」 2019年10月25日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2019年12月13日
- 一般皮膚科
手のひらや足の裏の水疱が治りません
「掌蹠膿疱症」の可能性があります
手のひらや足の裏に小 さな水疱ができ、それが 広がっていくことがあり ます。この症状について 日本皮膚科学会認定皮膚 科専門医で、立川皮膚科 クリニック院長の伊東秀 記先生に聞きました。
―症状は?
「“手湿疹”と間違えられることもありますが、足の裏にも出たり、痛みを伴なうようであれば『掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)』を疑います。小さな水疱が次第に黄色く膿をもち、その後かさぶたになって皮膚の角層がはがれてきます。掌蹠膿疱症性骨関節炎という合併症を発症し、胸の鎖骨部の関節に強い腫れや痛みを生じることもあります」
―原因は?
「金属アレルギーや扁桃腺炎、喫煙も関係していると言われますが、はっきりとした原因が分かっていません。膿疱性乾癬の類似疾患ではないかとも考えられています」
―治療法は?
「ビタミンD3軟膏やステロイド軟膏で膿疱を抑えます。皮膚の細胞増殖や炎症を抑制する紫外線療法も行います。慢性化していることが多く、治療には時間がかかります。まずは皮膚科の医師に相談を」