「第99回 アトピー」 2020年3月27日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2020年5月29日
- 一般皮膚科
長年アトピー性皮膚炎に悩み通院が負担です 新薬の自己注射での治療が保険適用に
慢性的なかゆみをともなう湿疹で長期間悩んでいる人も多い「アトピー 性皮膚炎」の症状と治療 について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で、 立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に聞き ました。
―原因は?
「アトピー性皮膚炎は皮膚への刺激や乾燥、バリア機能の低下やアレルギー反応でおこります。 かゆみを伴う湿疹で赤く腫れたり、カサカサ、ジクジクしたりと症状には 個人差があります」
―治療方法は?
「皮膚のバリア機能を補う治療(保湿)と、ステロイド抗炎症性外用薬や抗アレルギー剤を使用し、かゆみや炎症を抑える治療を行います。新薬 「デュピルマブ(生物学的製剤)」の自己注射が昨年認可され、保険適用となりました。かゆみや炎症の原因となる、サイトカイン(免疫系細胞から分 泌されるタンパク質)の うちIL―4、IL―13 の作用をブロックする注射薬です。今までの治療法で十分な効果が得られない人が対象です。医師の指導の下、自宅での自己注射も可能となり、通院の回数を減らせるようになりました」
―注意点は?
「自己注射が可能なのは、 15 歳以上の重症患者です。また、顔に合併症の湿疹がある場合は効果が出ない場合もあります。新薬の使用について、 詳しくは皮膚科の医師に 相談してください」