「第2回口唇ヘルペス」2012年2月4日号「リビング多摩」に医療コラムが掲載されました。
- 2016年6月29日
- 一般皮膚科
「口唇ヘルペスにかかったようです。どうすればよいですか?」
皮膚科の診断を受けて適切な時期に薬を服用してください
くちびるの周囲に小さな水ぶくれができる〝口唇ヘルペス〟について、「立川皮膚科クリニック」の伊東秀記院長に聞きました。
「口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスⅠ型またはⅡ型の感染が原因で起こります。このウイルスの特徴は、感染し抗体ができた後でも機会があれば再発を繰り返すこと。再発の場合は図①~④の症状を経て約2週間で回復します」
―再発の原因は何ですか?
「感染後のウイルスは、頚部の三叉(さんさ)神経節に潜伏して人間と共存しています。体の免疫力が低下すると、ウイルス
が他へ移ろうとして再活性化し、口唇ヘルペスなどとして現れます。風邪、疲労、ストレス、日焼けがきっかけになるため、
疲れが出やすい時期は特に気をつけましょう」
―治療法はありますか?
「再発のきざしに気づいたら、すぐに医師の診断を受けましょう。初期段階(図①または②)に抗ウイルス薬を服用することが重要です。抗ウイルス薬はウイルスの活動・増殖を抑制しますが、ウイルスを殺す作用はありません。神経節に潜伏しているウイルスに対しても効果はないので、症状が出始めのウイルスが活性化しているときが治療のよい機会です。また、くちびるがかぶれる、水泡ができるなどの症状が、月に1度繰り返されるという人は注意を。口唇ヘルペスと間違えやすい〝固定薬診〟やかぶれかもしれません。これは、頭痛・生理痛、便秘などの内服薬の影響によるものなので、皮膚科によるギムザ染色検査をおすすめします」