「第116回 寒冷蕁麻疹」 2021年8月27日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2021年11月25日
- 一般皮膚科
猛暑日、外出から戻り冷房に当たっていたら発疹が
「寒冷蕁麻疹」は夏でも発症します
暑い夏、外出から戻り急いで体を冷やそうと室内のエアコンの風に当たったり保冷剤で体を冷やしていると、かゆみのある発疹が現れることがあります。
この症状について日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に聞きました。
―この症状と原因はなんでしょうか?
「寒冷蕁麻疹と思われます。“寒冷”とありますが、体温より冷たい風やものに触れるなど急な温度変化が発症のきっかけになりますので、外気温と室内温度差が激しい夏も注意が必要です。タイプが2つあり、局所性寒冷蕁麻疹は直接冷たいものが触れた部位にかゆみと赤みのあるもり上がった発疹ができます。全身性寒冷蕁麻疹は冷房などによって外気温と各段の差がある部屋に入るなどして全身の冷えがきっかけとなり、全身に強いかゆみを伴う発疹が広がります。どちらも寒冷刺激によって皮膚内部にヒスタミンが分泌されることが原因です」
―治療法は?
「多くは時間とともに治まりますが、なかなか治まらない、頻繁に繰り返す場合は寒冷蕁麻疹かどうかを鑑別したのち、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服薬を処方します。原因が他の病気である、また全身性蕁麻疹ではまれに遺伝性も考えられますので、気になる症状がある場合は、皮膚科の医師に相談してください」