「第128回 アトピー性皮膚炎」 2022年8月26日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2022年11月11日
- 一般皮膚科
かゆみのある湿疹ができ薬をつけてもなかなかかゆみが引かず、おさまったと思ったらまたぶり返すというアトピー性皮膚炎。
この症状と治療について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニックの伊東秀記先生に聞きました。
―アトピー性皮膚炎について教えてください
「アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥、バリア機能の低下、皮膚への刺激やアレルギー反応によって起こります。かゆみのある湿疹が良くなったり、悪くなったりを慢性的に繰り返します。湿疹ができる体の部位や症状はさまざまで、個人差もあります」
―どのように治療しますか?
「皮膚のバリア機能を補う治療(保湿)とステロイド抗炎症性外用薬や抗アレルギー剤を使用し、かゆみや炎症を抑える治療を行います。一つの薬剤だけでなく、症状に合わせていくつかの薬剤を組み合わせて治療を行っていきます。
近年は新しいタイプの薬が承認・保険適用されて、治療の選択肢が広がっています。デュピルマブ(自己注射)、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のバリシチニブ、ウパダシチニブ、アブロシチニブに加え、今年6月に塗り薬のジファミラスト、8月に注射薬のネモリズマブが承認・保険適用されました。これらはアトピー性皮膚炎の原因の一つ、サイトカインの働きを阻害し、かゆみを抑えます。今までの治療で改善が見られないなど、悩んでいる場合は、まずは皮膚科の医師に相談してください」