「第136回 乾癬」 2023年4月28日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2023年5月25日
- 一般皮膚科
難治性の慢性皮膚疾患・乾癬に新しい治療薬が登場
新薬で治療の選択肢が増えました
一度発症するとなかなか治らない皮膚疾患・乾癬に、新しい治療薬が登場。そこで、立川皮膚科クリニックの伊東秀記院長(日本皮膚学会認定皮膚科専門医)に聞きました。
―乾癬とは?
「免疫反応が過敏になり、皮膚細胞が過剰に増殖して島のように赤く盛り上がり、硬くなって表面にフケのようなうろこがついたり、かさぶた状になる皮膚疾患です。症状によっていくつかの型に分類されていますが、一度発症すると、長期にわたって悪化と軽快を繰り返します」
―治療法は?
「初期なら活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用剤が基本。広範囲に現れたり重症になると、免疫抑制薬や経口PDE(ホスホジエステラーゼ)4阻害薬などの内服治療や、ナローバンドUVB、エキシマランプ、エキシマレーザーなどの光線療法、重症例には生物学的製剤を用いた注射療法も近年行われています。
そして昨年秋には、内服乾癬治療薬としてTYK2阻害薬(デュークラバシチニブ)が、新たに承認されました。これにより、今までの治療では効果が見られなかった難治性病変や、広範囲の病態に使用できるように。乾癬は難治性の慢性皮膚疾患ですが、コントロール可能な疾患であり、症状に応じた全身治療の選択肢が増えています。一人で悩まず、医師に相談して下さい」