「第147回 おとなのニキビ」 2024年3月29日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2024年4月3日
- 一般皮膚科
治りにくい、おとなのニキビ
状態に合わせた適切な治療を
“ニキビは青春のシンボルよ”と冗談ですまされないのが、同じところに繰り返しできてなかなか治らない、おとなのニキビ…。「なんとか治したい」という悩みについて、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に聞きました。
―ニキビはどうしてできるのですか?
「そもそもの原因は、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まること。ホルモンバランスの乱れや睡眠不足、ストレスや生活環境などが絡み合って肌の状態が悪化、古い角質が毛穴に溜まった状態が白ニキビ(①)です」
―なかなか治らないのはなぜ?
「皮脂が毛包の中に蓄積した状態が続き(②)、その溜まった皮脂を栄養源にしてニキビの元となるニキビ菌が増殖すると(③)、症状が悪化します。それを放っておいたり間違った対処をしていると、炎症が強くなりニキビ跡が残ってしまうこともあります(④)」
―治療法は?
「ニキビができる原因や場所、肌質などによって、ニキビの症状はさまざま。まず状態を正しく見極めたうえで、適切な治療法を検討します。初期なら外用薬が中心、必要に応じて、毛穴に詰まっている皮脂や古い角質を押し出す面皰圧出なども行います。さらに積極的に治したいなら、例えば①~③の場合、ニキビ菌を酸化させて破壊する青色LEDの照射治療(自由診療・顔全体の場合20分8000円)も可能です。きちんと治療しても治らない場合は、腫瘍やニキビダニも考えられます。皮膚科専門医と相談して、適切な治療を行って下さい」