「第153回 乾癬」 2024年9月27日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2025年1月21日
- 一般皮膚科
見た目もつらい乾癬
状態に応じた治療法の選択が大事
赤い発疹が盛り上がってかさぶたのように硬くなったり、ぽろぽろとフケのように剥がれ落ちたり…。繰り返し表われる難治性の慢性再発性炎症疾患「乾癬(かんせん)」について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・立川皮膚科クリニック院長の伊東秀記先生に聞きました。
―原因は?
「乾癬は免疫システムの異常が引き起こす皮膚炎で、遺伝的要因に環境因子が加わることで悪化すると考えられています」
―治療法は?
「症状を十分に観察したうえでの正しい診断が第一歩。皮膚の状態、病変の範囲、重症度などに応じていくつかの治療法があります。例えば、ビタミンD3誘導体やステロイドの外用薬、光線療法、免疫抑制などの内服薬による全身療法、さらに、生物学的製剤を用いた注射療法も行われています」
―新しい薬も登場したようですね
「2022年11月より、世界初の経口TYK2阻害薬(デュークラバシチニブ)が使えるようになりました。従来の治療薬では十分な効果がみられない、重症の乾癬患者さんの治療の選択肢が広がっています。乾癬の治療薬には色々な種類がありますが、その時々の状態に応じて選択することが最も大事。上手に組み合わせて効果を出すためにも、皮膚科専門医に相談して、最適な方法をみつけて下さい」
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